■自宅サーバーとは何だろう?
 従来ホームページを作成する為には、自分の契約するプロバイダーにファイルを転送して、プロバイダーのwebサーバーを利用したり、プロバイダーのメールを使用するのが一般的でした。しかし、そのホームページ等のサーバーの機能を自宅のパソコンを使ってやってしまおうということが「自宅サーバー」です。サーバーの種類は幾つかありますが、webサーバー、メールサーバーを立てている人が多いと思います。そのサーバーに日本中、いや世界中の人が直接アクセスしてくるのです。自宅サーバーの運用はとても奥が深く、また楽しいものです。決して簡単という訳にはいきませんが、興味のある方は是非挑戦してみることをお勧めします。
 
■自宅サーバーの長所と短所は?
長所は
  • 容量に制限がない(自分のPCのハードディスクの容量がなくなるまで利用可)
  • CGIも自由に利用できる。
  • 自分でいろいろインストール・設定するので楽しい(これが一番重要です)
  • メールサーバを立てればアカウントは作り放題(そんなに沢山あっても仕方ないですが)
  • 自分だけのサブ・ドメイン名を持てる(このHPの場合はbritannia.ddo.jp)

短所は

  • セキュリティーの設定は全て自分で行う必要がある。
  • クラッカーに狙われてホームページが改竄される恐れがある。
  • メールサーバーを立てた場合、不正中継してスパムメールの踏み台にされる恐れがある。
  • 回線が細い為アクセスが集中すると重くなる。
  • トラブルが起きても自分で何とか解決しなければならない(これもまた楽しい
■自宅でサーバーを立てる手順は?
 自宅サーバー作成のHPは沢山ありますので、詳細はそちらを御覧いただくとして、簡単にいうと以下の手順になります。
  1. サーバーとなるPCを1台用意
    当サーバーはCPUがAthlon 2GHzのPCで稼動しています。
     
  2. OSを選択
    Linuxかwindowsですが、Linuxは基本的に無料なので私はLinuxを選択しました。windowsでもお金はかかりますが、サーバーを立てることは当然できます。
     
  3. Linuxを入手
    Linuxといってもデストリビューターにより多少の種類の違いがあります。本屋にいってLinuxの雑誌を買うと付録のCD-ROMにソフトがついてきますのでそれを利用します。当サーバーはTurbolinuxを利用しています。Turbolinux 8 Server までは雑誌の付録で充分運用出来たのですが、10 Serverからは雑誌の付録(評価版)ではアップデートがされないので、正式ライセンスを購入する必要があります。
     
  4. ルーターを設定
    Linuxを入手したからといって直ぐにインストールしないほうがいいです。最初にルーターを設定して不要なポートにフィルタを掛けます。Linuxをインストールしただけで、いくつかのサーバーが立ち上がりますので、ルーターの設定をしていないと、セキュリティ的に危ないです。なので、ポートについての勉強もこの時点で必要です。
     
  5. Linuxをインストール
    いよいよインストールです。極力不要なソフトはインストールしないようにしましょう。とはいえ、最初はどれが必要で、どれが不要かなんてわからないですよね。
    windowsとlinuxの両方を1台のPCにインストールしてデュアルブートさせる場合もありますが、トラブルの起こりやすいところです。後で、24時間365日webサーバーを立ち上げることを考えると、出来れば1台linux専用のマシンを用意したいですね。
     
  6. DNS設定ファイルの編集及びサーバー起動???
    通常はインストール後はDNSの設定ファイルを編集・起動します。しかし、ダイナミックDNSのサービスを使ってwebサーバーを立てるだけなら、LAN内でDNSサーバーを立てなくても大丈夫です。私もDNSサーバーは立てていません。
    Linuxについては勉強することがたくさんありますが、DNSサーバーは一番難しいなあ、というのが私の感想です。
     
  7. ダイナミックDNSの登録
    webサーバーが出来たとしても、多くのプロバイダーではグローバルIPアドレスは接続の都度変わります。友人にHPを見てもらう為に、「今日は「211.132.74.172」とか電話で教えなければなりません。それでは面倒なのでダイナミックDNSというサービスを利用します。例えば「HPはbritannia.ddo.jp」と友人に教えておけばダイナミックDNSがbritannia.ddo.jpを 211.132.74.172に変換してくれます。当サーバーはダイナミックDNSとしてDynamic DO!.jp のサービスを利用しています。無料ですし、MXレコードにも対応しているので、メールサーバーを立てることも出来ます。少し前までは、www.〜というドメイン名のがいいと思ってましたが、最近は少しでも短い今のドメイン名が気に入っています。
     
  8. アプリケーション設定ファイルの編集及びサーバー起動
    webサーバー、メールサーバー、ftpサーバーの設定を編集して起動します。セキュリティ的に大丈夫か、メールサーバーが不正中継を許していないか等確認します。特にメールサーバーは不正中継を認めているとスパムメールの発信源となり他の方に大迷惑となります。メールサーバーは、自分の利用しているプロバイダーのアクセスポイントが工事したり、家が停電になったりすると使えなくなるので、運用には注意が必要です。
     
  9. webサーバーが正常に稼動しているか確認
    自宅サーバーといえば、やはりwebサーバーを立ち上げることが多いと思います。正常にサーバーが稼動しているか確認するためには、鷹の巣さんのHPに詳細がありますのでご覧下さい。
     
  10. 以上で自宅サーバーの出来あがりです。
■自宅でサーバーを立てる為のLinux勉強方法
 勉強方法は、その人の環境、つまり、お金、時間、家族構成、気合により大きく変わってきます。
正しい方法というのは無いと思いますが、私の方法を紹介します。

 とにかくwindowsしか使ったことがなく、周囲にLinuxに詳しい人がいなかった為、最初は独学で本を買って読みました。しかし、全く分からず一度挫折しました。再度Linuxの勉強を使用と思った時は、ITの土日の学校に入りました。数十万円しましたが、雇用保険の給付金を利用して半額以下で済みました。そこでは、LinuxとCiscoのルーターの勉強をしましたが、お金以上の価値はあったと思います。おかけで、再挑戦は挫折せずにすみましたし、Turbolinuxの資格であるTurbo-CEも一発で取得することが出来ました。
 本については、Linuxの月刊誌を読んで勉強しています。定期購読はしていませんが、気に入ったテーマの雑誌を買っています。その他に、サーバー関係の本も興味があれば買っています。
 
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